めぐり初詣や神社参拝でおみくじを引くとき、結果が「大吉」だったら思わず笑顔になりますよね。
けれどそのあとにふと湧くのが、「この大吉、結ぶべき?それとも持ち帰った方がいい?」という疑問。



人によって「結んだほうが運が逃げない」「大吉は持ち帰るべき」など意見が分かれ、正解がわからなくなる方も多いはずです。
この記事では、おみくじを「結ぶ」「持ち帰る」それぞれの意味と、大吉を引いたときの最善の行動について、神社の考え方やスピリチュアルな視点も交えてわかりやすく解説します。読み終えるころには、あなた自身にとっての「正しい選択」が自然と見えてくるはずです。
おみくじを「結ぶ」「持ち帰る」には意味がある


そもそもおみくじを結ぶ理由とは?
おみくじを木や専用の紐に結ぶ光景は、神社ではすっかりおなじみです。
この風習の起源は、「神様との縁を結ぶ」「悪い運勢を木に留める」という願いから生まれました。
昔は、凶や末吉といったあまり良くない結果を引いたときに「これ以上悪くならないように」と、境内の神聖な木に運を留めておくという意味で結んでいたそうです。
つまり、「結ぶ=祈りを神様に託す」という行為なんですね。
現代では、良いおみくじも結ぶ人が多いですが、もともとは「悪い結果を結ぶ」というのが原義でした。
そのため、結果に応じて「自分の気持ち」で選ぶのが自然だといえます。
「持ち帰る」と「結ぶ」で運気はどう変わる?
一方で「おみくじを持ち帰る」ことには、神様の言葉を日常に持ち帰るという意味があります。
おみくじは運勢の占いというより、神様からのメッセージとして考えるのが正しい理解です。
良い結果を持ち帰ることで、日常生活で「感謝」や「慎み」を思い出すきっかけになります。
また、悪い結果であっても「注意喚起」や「行動の指針」として家に置くのも悪くありません。
お財布や手帳に入れてお守りのように扱う人も多いです。
運気という観点では、「結んでも」「持ち帰っても」どちらが上がる・下がるという明確な差はありません。
大切なのは、おみくじを通じて自分の行いを整えることです。
大吉を引いたときはどうするのが正解?


神社の考え方と地域による違い
多くの神社では、「大吉は持ち帰る」「凶などは結ぶ」という考え方が一般的です。
これは、良い結果を日常生活に活かし、常に感謝の気持ちを持ち続けるためとされています。
ただし、地域や神社によっては「すべてのおみくじは結ぶべき」とするところもあります。
たとえば伊勢神宮や出雲大社のような古式ゆかしい神社では、おみくじそのものを“神様との誓い”として境内に納める習わしが残っています。
つまり、「どちらが正解か」は一概に決められず、参拝した神社のしきたりを尊重するのが最も正しいということになります。
大吉を結ぶと運が下がるって本当?
インターネット上では「大吉を結ぶと運が逃げる」「持ち帰らないと意味がない」といった説も見かけますが、これは迷信に近い考えです。
神社関係者の多くは、「結ぶ・持ち帰るに関係なく、感謝の気持ちが大切」と語っています。
むしろ、結ぶことで「今の幸運を神様にお礼として奉納する」という解釈もあり、“運を分かち合う”行為とする考え方もあるのです。
大吉を結んだからといって運が下がるわけではなく、心の持ち方次第で運の流れは良くも悪くもなるといえるでしょう。
おみくじマナーと運気を保つコツ
結ぶ場所・結び方のタブー
おみくじを結ぶときに気をつけたいのが、「結ぶ場所」と「結び方」です。
神社によっては専用の「おみくじ掛け」や「結び所」が設けられているので、そこに結びましょう。
ご神木など、指定されていない木に結ぶのは避けるのがマナーです。
また、結ぶ際は「強く縛りつけない」こと。
固く結ぶと“縁を縛る”とも言われ、執着や停滞の象徴とされることがあります。
軽く一結びする程度で、「願いが届きますように」と心を込めて結ぶのが理想です。
持ち帰るときのお守りとしての扱い方
持ち帰る場合は、おみくじを丁寧に扱うことが大切です。
財布や名刺入れ、手帳など、日常的に身につけるものと一緒に入れておくのがよいでしょう。
特に大吉の場合は、「この運勢を感謝の気持ちで保つ」意識を持つことがポイントです。
古くなったおみくじは、年末年始の参拝時に神社へ返納するのが望ましいです。
神社では焚き上げによって浄化されるため、新しい年を清らかな気持ちで迎えられます。
神主さん・スピリチュアル的視点で見る「大吉」


「今が最高」という意味の本質
神主さんの中には、「大吉は“これからもっと良くなる”というより、“今が最も良い状態”を示すもの」と説明する方もいます。
つまり、大吉はゴールではなく、今の幸運をどう活かすかが問われるメッセージなのです。
スピリチュアル的にも、「運が良い」というのは偶然ではなく、日々の行動や思考の積み重ねによって引き寄せられた結果。
だからこそ、大吉を引いたときは「これまでの努力が実を結んだ」と受け止め、次の行動へつなげることが大切です。
「運を保つ」ために意識したい日常の行動
大吉を引いたあとも運をキープするためには、次のような行動を意識しましょう。
- 感謝を言葉にする:日々の小さな幸せに「ありがとう」と言うことで、運が循環します。
- 掃除と整理整頓を怠らない:清らかな場所には良い気が宿ります。
- 他人に優しくする:良いエネルギーを与えることで、自分の運気も上がります。
これらはスピリチュアル的にも科学的にも、心を整える行為として共通しています。
運は「偶然ではなく、日々の選択の結果」と心得ましょう。
まとめ:大吉のおみくじ、あなたにとってのベストな選択は?


大切なのは「感謝して行動する」こと



おみくじを結ぶか、持ち帰るか。その答えは、「あなたがどう感じ、どう行動したいか」にあります。
神社ごとのしきたりを尊重しつつも、最も大切なのは「神様からのメッセージを心に留めて生きること」です。
大吉を引いたら、それは「今が恵まれている」というサイン。
その幸運を感謝とともに受け取り、日々を丁寧に過ごしていきましょう。
結ぶにせよ持ち帰るにせよ、行動に感謝と誠意があれば、それがあなたにとっての正解です。
参考文献・出典:
- 神社本庁「おみくじの由来と意義」
- 出雲大社公式HP「参拝作法とおみくじ」
- 『神道の本』(学研プラス)
- 全国神職インタビュー(2023年「神社時報」より)









